「もしも高校四年生があったら英語を話せるようになるか」というタイトルの英語本。
読んだらものすごく引き込まれて、メモを取りながら読んで、そして終わりのページが近づくのがさみしくなるような、そんな小説でした。
小説の皮をかぶった英語How to本です。
私は英語が好きで、息子との英語育児(おうち英語)にも取り組んでいます。
自分自身の英語についても、英語育児の観点でも気づきと方針が得られた1冊でした。
英語を話せるようになりたい、話せるようになってほしい人がいる、という人にぜひ読んでみてほしい一冊です。
この記事の目次
もしなる こんな方へおすすめ
- 読みやすい英語学習本が読みたい
- 持ってる教材の良さを見直したい
- おうち英語の取り組みの指針が欲しい
- 英語教育・育児のモチベーションが下がってきている
もしなるで繰り返し伝えられていること
ここは少しネタバレになるので、純粋にゼロから楽しみたい方は読み飛ばしてください。
日本の英語教育のゴール
今の学校英語のゴールは開国当時の延長。
かつては今みたいに英語音声もなかったし話す人もいなかった。
目的が「話す」ではなかった時の方針がそのままになってしまっている。
方針が「話す」でないのなら、話せるようになるわけがないな、と納得しました。
確かに確かに、自分が受けてきた学校の授業で実際に「話す」ことはどれくらいあったか、、、
印象に残っているのは一生懸命黒板を書き写したり、スペルを必死に覚えたり、文字を追って音読したり、教科書の暗唱大会だったり。
どれもコミュニケーションとして「話す」ということはしてきていなかった。
衝撃でした。
目的が「話す」ではなく何なのかは、本編でご確認ください。いろんなことに納得がいくと思います。
イメージが大事
では話すようになるには何が大切なのか。
それは「イメージすること」だと、訴えられています(と私は受け取りました)
「話す」ということを目的としてインプットをするときに特に意識すべきことが「イメージ」
「イメージ」に含まれる情報量は文字の並びやひたすら流れてくる音の比ではありません。
イメージと一緒にすることで覚えやすくなるし、「こういう時に使う」という感じで、一つの単語にも幅を持たせることができます。
英語は英語のままとらえる
英語は英語のままとらえる。
意味も音も順番も。
英語を「話す」(会話する)にはリスニングも大事になりますが、学校で習ったやり方通りにしようとすると、1文終わるまで処理が始められない状態になります。
次々情報が流れてくるのに、最後のほうを聞いているときにも、前半で何を言っていたかを、意味もよく処理できていないあいまいな状態なまま覚えていないといけなくなってしまいます。これでは大変。
もしなるを読んで印象に残ったフレーズ
印象に残ったフレーズはたくさんあったのですが、ネタバレしない程度にメモしておきたいと思います。
- 疑問は疑問だけではない
- 言葉は相手に「場面」を伝えている
- 日本語訳は日本文化への置き換え
- 英語は生きた魚、日本語は刺身
- 伝わればいい?じゃあ一生懸命丁寧に日本語で話そうとする人と、適当に単語投げてくる人どちらと話したいか?
- 疑問文は日本人の弱点
これを見ただけではわからないかもしれませんが、どれも、本文の中で見ると「確かに!」と納得するものです。
気になるフレーズがあった方はぜひ本を実際に手に取ってみてもらえたらと思います。
もしなるを読んで大事にしたいと思った教材
この本を読んだおかげで、今持っている教材の見方も変わりました。
我が家で今、主に取り組んでいる英語教材はディズニー英語システム(DWE)です。
特に、今まで以上に大切にしたいと思ったDWE教材と、市販教材で用意する場合の例をご紹介します。
イメージを音と一緒に定着させる教材
単語をとにかくたくさんインプットするのが大切ですが、それには「イメージ」の力を最大限に借りるのが得策です。
さらに、それを「イメージ(視覚)」と「音(聴覚)」で一緒に吸収するのが英語を「話せる」ようになるのに必要だと思いました。
- トークアロングカード
- 各BOOKとその音声
- ファン・ウィズ・ワーズの本とペン
- Sing Along!のDVD/ブルーレイの各歌最初に流れる単語部分
図鑑と音声ペンがセットになったものや、音声とイラスト・写真付きの教材がよさそう!
音が出るペン付き アルクの2000語えいご絵じてん質問力を強化する教材
質問(疑問文)は多くの日本人が苦手とすると頃ですが、会話に「質問力」はとても大事。
「質問」はとにかく慣れが必要とのことなので、量意識!
すでに持っている教材の、「質問部分」に注目するだけでもだいぶ違うのでは!
- TACの質問部分
- QAカードの質問部分
- Step by Stepの質問部分
- Bookの朗読音声の質問部分
イラストとそれに関するQAがたくさん載っているのがこのブレインクエストシリーズ。2歳向けからあります。
英語を体感で記憶できる教材
イメージを強化するのには、聴くだけ、見るだけ、よりも「体感(体験)」してしまうのが一番。
五感をフルに使える体験ができたら最高!
- Step by stepのアクティビティ
- レッツプレイ
- イベント参加
英語のおもちゃや、アクティビティを促すDVDなどよさそうですね。
リープフロッグは英語のおもちゃが豊富です。
先ほどご紹介したBrain Questのワークブックも買いましたが、ボリューミーでお得感満載でした!
おうち英語ママとしてできること
もしなるを読んで、おうち英語ママとしてできることがいろいろあることを感じました。
実物・実生活・体験と英語を結びつける
もともと思っていたけど、改めて大事だと思ったのが体験と英語を結ぶこと。
イメージの中でも最強なのは実際に経験してしまうことで、見るだけ、聴くだけよりもはるかに強力です。
モノ(名詞)ひとつとっても、実物を見るとそれがどんな場所にあって、どんなサイズ感で、どんな手触りで、、、といったようにすごい情報量が得られます。
動作(動詞)だって、実際に体を動かしてしまうのが手っ取り早い。
ジャンプだったら例えば「お母さんと一緒にジャンプした」ときの楽しい感じとか、足の感覚とか、疲れる感じとか「思い出」も含めてぜーんぶが「ジャンプ」に紐づいていきます。
そういったことを意識すると、生活の全部がヒントだったりして。
カードや本で見た単語を体感と結びつけるチャンスがたくさんあるのがおうち英語!
イメージ強化大作戦です。
実生活と英語を結びつける
もしなるを読んでハッとしたのが、「難しいフレーズはわかるのに身の回りの物の説明は全然できない」シーン。
日本語だって、身の回りの物を使ってわかりやすく例えができる人の話ってとっても伝わりやすい。
授業で、受験で勉強する単語はやたら難しいのが多いけど、実生活の言葉こそ、まず英語で表現できるようにしておくことが、スムーズなコミュニケーションにつながるんだと気づきました。
「頭がいい」ひとほどちゃんと相手のところまでおりてきて、わかる話をしてくれる・・・
日本語をどうやって習得したかをヒントにする
実際に子供が日本語を身に着けていく過程を見ているからこそ、英語の習得に活かせるんじゃないかと思いました。
「英語」と「日本語」をどちらも「言語の習得」という大枠でとらえてみたら?
2歳くらいで話し始めたとき、何言ってるのかよくわからないけど、たくさん話していた時期とかありませんでしたか?
トトロのメイちゃんでいう「おじゃまたくし」とか「とうもころし」みたいな 言い間違えだってたくさんあったりして。
そんな時、「え、違うし」ってバカにしたりとかしませんよね。
一生懸命自分のものにしていく過程なんだなぁ、繰り返し口にだしていくことで身に着けていくんだなぁって思ってました。
まだ子供が話せないうちは、ひたすら、ただひたすら目に見えたものを「○○あったねぇ」っていって聞かせてたりとか、ほんとに単純な絵本から読み始めたりとか。
他にも例えば、小さい時からやるからこそ、楽しく遊びとしてできることがあります。
「これなーんだ?」って片っ端から聞いていくとか、「はーい」って手を挙げる動作一つが遊びになるとか。
そういったシンプルな言葉や動作からの積み重ねなんじゃないかと思うのです。
声かけってちょっとハードルが高いけど、 子育てで使うフレーズがたくさん載っている本もあります。
ちなみにこちらの本はアマゾンの音声本サービス「Amazonオーディブル」の対象にもなっています。(随時入れ替えの可能性はあります)
最初の1か月は無料体験もやっているので、1冊無料でお試しできちゃいます!
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もしなるを読んで変わった意識
BOOKの文字読み(指さし)の導入見送り
文字にも親しんでほしいと思っていたので、絵本を読むときにはわりと最初から文字を指でさしながら読んでいたのですが、イメージが定着してからにしようと思いました。
ただ、小さいうちだからこそ文字すらも「イメージ」で捉えることができる面もあると思うので、その辺りはあまり先延ばしすぎなくてもいいのかな、とも思っています。
質問をいろんな角度でできるようになりたい
疑問文は苦手な日本人が多いとのこと、身に覚えもありました。
苦手な部分を認識することができたので、いろんな質問ができるようになりたいと明確な目標ができました。
質問ができなくてはコミュニケーションも行き詰ってしまいます。同時に、子どもにも質問ができるようになってほしいな、と今から理想がわかってよかったです。
日本語で子供相手にやってることを見直してみよう
「おうち英語ママにできること」で触れた部分ではありますが、日本語で子供相手にやっていることを英語に活かせるんじゃないか、と今は思います。
日本語ならさらっとやっていることも、アンテナを高くして英語でもチャレンジしてみたい!
購入当初不満だった実写部分こそ、大事だったのでは
主にディズニー英語システムを使っておうち英語をしていますが、購入当初、ちょっと不満がありました。
ディズニーキャラ以外のシーンも多いのね
ほとんどがディズニーアニメで構成されているのかと思いきや、DVDに結構実写のお兄さんお姉さんや出てきてたことに、最初がっかりしてました。
最近はそんなこと気にしていませんが「絵より実写、実写より実物」というのがこの本からも分かりました。
「子供の興味を引くキャラクター部分」と、「イメージを強める実写部分」のどちらも大事だったことに納得。
日常全部がチャンス
英語でできそうな声掛けは英語でしてきましたが、実は日本語で話している日常全部がチャンスで、活かすかどうかは自分次第なんだな、と感じました。
もしなるを読んでも残っている課題
もしなるを読んで、自分自身の英語についても、英語育児についても方向性がだいぶ定まりましたが、残った課題があります。
実践するには
とにかく話す、話す、話す。話してこそ話せるようになるんだよな、ということはわかりました。
私は今のところ子供に相手をしてもらっているのでいいのですが、子どもにも実践を促すには、どうすればいいのか?というのは考えます。
3歳の息子はこれまではインプット中心で、最近発話が見られるようになってきた段階なので、チャンスは逃したくない。
やっぱり親がやって見せるのが一番なのかな、とか。
オンライン英会話など、実践相手を用意するとか。
ちなみに息子、私と話す分にはいいのですが、英語イベントに出かけても「シャイ」が大爆発。
シャイボーイ問題は別物でした・・・!
ネイティブが担っていた部分はどう補うか
本の中で、英語を習得するのにネイティブが担っていた部分があります。
- 質問文を訂正する
- 文字起こしを直す
この辺りは自分だけではどうにも難しい部分なので、要検討です!
息子には、最初からこの辺りをクリアできるように英語を習得してほしい(勝手)
もしなる読んでよかった
こんなにメモを取りながら読んだ小説は初めてです。
得られたこと、納得したことがたくさんあって、どれも逃したくなくて、ページ数とフレーズ、感じたことをメモしながら読み進めました。
純粋にお話を楽しむためにまた読みたいと思います。
とか言いながら、最後の盛り上がりシーンは、楽しむための2回目をすぐに読みました。笑
このブログを書くにあたっても、読み返しながら進めたので、時間がかかりました。(ついつい読んじゃって)
その道でゴールにたどり着けるか
読んでる途中で、これは英語の話だけど、英語に限った話ではないなあと思ったのが「学ぶ目的は何なのか」ということです。
英語で 何かをできるように
あと、巻末の【著者紹介】の一文にとても共感したのでご紹介します。
著者の目標は英語を話せるようになるため「だけ」に日本人が留学に行く時代にピリオドを打ち、時代を一つ前に進めること
著者紹介より
わたし自身、留学貴重な一年を「英語を」学ぶのにほとんど費やしたのを悔やんでいて、息子には「英語で」何かをする力を!と思っています。
もちろん、将来息子が英語を必要としない可能性もあるのですが、小さいうちだからこそできることなら、可能性を広げておいてあげたい。
いずれ海外に出ていくなら、日本の事を知ることも、日本人の代表という認識も必要です。
だから英語にかぶれて日本の学びが疎かになるようなことはしたくない。
そして人としての魅力を持った人になってほしいな、と思いつつも、息子のありのままを受けとめる子育てをこれからもしていきたいと、改めて思いました。
ちょっと子育て論に脱線してしまいましたが、、、
もしなるは、とにかく読んでよかった、自信をもっておすすめできる本でした!